テリミノイヌホオズキは北アメリカ原産のSolanum americanumとされており、特徴は果実のフケ状班紋white flecks が明瞭であることである。タイプを分けているが分けない方が現在の主流である。
Solanum americanumは4タイプあるともいわれ、日本で
テリミノイヌホオズキとされている植物には明らかに複数の分類群が含まれ、垂れ実型(球状顆粒有り)とカンザシイヌホオズキ型(球状顆粒無し)の2タイプが確認報告されている。
テリミノイヌホオズキのカンザシイヌホオズキ型は果実の付く形がカンザシのようで、特徴があり、気づきやすい。
テリミノイヌホオズキ(広義)の概要はCDFAデータシートによると次のとおり。
茎は直立することが多く、稜があり、小さな刺がまばらにつき、屈毛がある。葉は長さ2〜15pの卵形、大きな波状の切れ込みがある。花は1花序に典型的には4〜10個(3〜11個)、ほぼ散状につく。花冠は白色〜淡紫色、日陰や低温の環境では淡紫色になりやすく、(アメリカイヌホオズキのような淡紫色を確認した。)、5深裂し星形の直径4〜12o(4.5〜12o)。葯の長さ1.3〜1.8(1.1〜1.6)o。花柱は長さ2〜3(1.6〜2.9)o。萼は長さ1〜2o。果実は直径5〜8o(3〜8.5o、6.5o程度が多い。)、熟すと黒色
glossy black or brownish-black になり光沢がある。熟す前は果実の表面にフケ状の斑紋 white flecks が入る。果実中の種子は50〜100個(2〜67個)。種子は淡黄色〜ほぼ白色(白色)、長さ1〜1.8o(1.2〜1.6o)、幅1.3(1.4)o以下。球状顆粒sclerotic
granules は0〜5個(0〜2個)、花粉粒17〜23μm。(26〜33μm)このタイプの実測値を()内に示した。
このカンザシイヌホオズキ型の典型的な形は日当たりの良い場所で見られることが多く、よく分枝し、葉は幅がやや狭く、ほぼ全縁が多く、場所によっては波状鋸歯も見られる。やや日陰にあり、分枝が少なく、花序も少ないものは葉幅が広く、湿り気が多いと鋸歯がはっきり下部に波状の鋸歯がある大きな葉が残っていることがある。やや湿った場所で、上部の葉まで波状鋸歯がはっきりしている場合もある。葉の厚さが厚いものが多く、葉の毛は少ないものと多いものがある。花つきもよい。花はやや小さいものが多いが、大きさに変化があり、大きいものは直径12oに達するものも見られる。花序枝が長さ7〜14o、小果柄は長さ約7oで上向き、枝によっては横向きで、垂れ実型のように果実が下向きに垂れ下がらない。ただし、はっきり垂れ下がるものが混じるときもあり、これも含めているが疑問が残る(
テリミノイヌホオズキ参照)。果実は他のイヌホオズキ類より小さいことが多い。種子が他種より白く、明らかにほぼ白色である。ただ1個所、果実の光沢が少なく、種子が淡褐色の例外があった。その場合にもフケ状班紋は明瞭だった。球状顆粒は普通、0だが、稀に1〜2個もつものがあった。
球状顆粒が有るものと無いものは球状顆粒数以外に差がないため、区分しなかった。データは
イヌホオズキ類の比較表にまとめた。
テリミノイヌホオズキ(垂れ実型)は果実のフケ状班紋が明瞭で、光沢が強い。カンザシイヌホオズキ型と違い、他のイヌホオズキと同様に小果柄が下向きに垂れ下がる。種子が淡褐色のものと白色のものの2タイプがある。白色のものは葯が褐色を帯びる。
アメリカイヌホオズキは花序の花数が普通、5個以下と少なく、果実の光沢がやや少なく、球状顆粒が4〜8個と多い。
イヌホオズキは花がやや大きく、花冠の切れ込みが浅くて裂片の幅が広い。また、果実に光沢がなく、球状顆粒を含まない。
オオイヌホオズキは花が大きく、花柱や葯が長い。また、果実の光沢がやや少なく、種子が小さく、球状顆粒が4〜12個。