和名の由来は葉先が矢筈状に切れ込んでいることから。別名のカラスノエンドウの方が一般的であり、エンドウに似た小さい豆が黒く熟すのでこの名がついたといわれている。
葉の先端が2〜3個に分岐した巻きひげとなる。葉は偶数羽状複葉で、小葉は8〜16個。小葉は有毛、先端が矢筈(やはず)状に浅く凹む。小葉が細く、先が尖るものは別品種の
ホソバヤハズエンドウ(ホソバカラスノエンドウ)として区別されている。しかし、ヤハズエンドウも上部の葉先が鋭頭となるものが多く、中間的なものも多い。学名のangustifoliaも
幅の狭い葉をもつという意味である。両者を含めて、Vicia sativa subsp. nigra = Narrow-Leaved Vetch として分類されることも多い。
托葉は深い切れ込みがあり、褐色の腺点(花外蜜腺)がつくのが特徴である。花は長さ1.2〜1.8p、紅紫色。旗弁の裏は色が薄い。花柄はほとんど無い。萼は先が5裂して先が尖り、萼歯は萼筒より短い。豆果は、長さ3〜5pで、5〜10個の種子をもち、熟してくると黒色のV字状になり、完熟するとねじれて裂開し、種子をはじきとばす。種子は直径約3oの球形、次第に褐色が濃くなり、黒色の班点がある。
白花品は
シロバナヤハズエンドウ という。また、まれに巻きひげのないものもあり、ツルナシヤハズエンドウ form. normalis Sugim. という。
帰化種のオオカラスノエンドウ(Vicia sativa subsp. sativa =spring vetch)は全体に大型で、毛が多く、萼歯が萼筒より長く、豆果が褐色。アメリカではVicia
sativaの花冠の長さは1〜3pとされ、Vicia angustifolia var. segetailis を同義語としヤハズエンドウを含み、オオカラスノエンドウをsubsp.
sativaとしている。
小型の
スズメノエンドウやその中間の大きさの
カスマグサは托葉に腺点がない。花の大きさが似ていて托葉に腺点がないアレチノエンドウ(barn
vetch)という帰化種もある。