日本で最もよく見られるスミレ。葉は長さ、幅ともに1.5〜2.5pの心形〜扁心形、縁に低い鋸歯がある。毛の量は変化し、普通、葉の両面ともほぼ無毛、葉表の縁近くにまばらに毛がある程度。下部につく葉の基部は深い心形となり、上部の葉は浅い心形。花茎は咲き始めはほとんどなく、花期には6〜10pだが、花が終わってから高く伸びる。花茎や花柄は無毛。托葉は鱗片状、櫛の歯状に細かく深裂する。花は淡紫色、側弁の基部は無毛。距は細く、長さ6〜8o。花は匂わない。
ニオイタチツボスミレやナガバタチツボスミレより花の色が薄いのが普通であるが、やや濃く、葉もやや細長い中間的な形態のものも見られる。
個体数が多いため、いろいろな品種や変種に分類されている。茎や葉が有毛のものはケタチツボスミレという。白花品は
シロバナタチツボスミレといい、花弁が白色で、距が紫色を帯びるものは
オトメスミレという。 花が淡紅紫色のものもあり、サクラタチツボスミレという。花が緑色のものはミドリタチツボスミレである。全体に無毛で、葉に光沢のある海岸型は
ツヤスミレ。葉脈が紅紫色を帯びるのはアカフタチツボスミレといい、葉裏が帯紅紫色のものをウラベニタチツボスミレという。
ニオイタチツボスミレは花柄に普通、白色の細毛がある。花の色が濃く、芳香が強いものが多い。
ナガバタチツボスミレは花色の濃さがタチツボスミレとニオイタチツボスミレの中間。花柄は無毛。葉が紫色を帯びることが多く、茎葉が細長くなる。
ケイリュウタチツボスミレは渓流の河原に生える。葉は小さく、光沢があり、根生葉の基部は切形〜浅い心形。上部の葉は基部が楔形。
コタチツボスミレは西日本の日本海側に多い変種である。葉脈が目立たず、葉の基部が切形〜浅い心形、鋸歯が粗く鋸歯の先が尖る。匍匐性が強く、花後に地を這う。