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世界に広く分布する。腐生菌。初夏～初冬に庭園、草地、畑地、林内の肥沃な土壌に単生、群生する。傘は直径5～15㎝、卵形～円錐形～中高扁平～扁平、黒褐色、灰褐色、灰白色、白色、平滑、表面に粘性がある。柄は中実、表面は白色、平滑、わずかに白粉状、つばはなく、長さ8～22.5㎝、幅0.7～1.5㎝、基部に向かって太くなり、基部は膨らみ、つぼがある。つぼは高さ2～3㎝、袋形。ひだは密、隔生、便腹形、幅（1）2㎝以下、初期に白色、その後、淡クリーム色～淡ピンク色（サーモンピンク）。肉は質が薄く、厚く、類白色、傷つけも変色せず、無味、無臭（変化があり、無臭～ダイコン臭又は皮をむいたジャガイモ臭）。胞子紋はサーモンピンク色～淡紅褐色。胞子は楕円形、長さ11～16µm、幅7～9µm。担子器は長さ20～35µm、幅7～15µm、普通、4胞子、ときに2胞子性。側シスチジアは長さ60～90µm、幅20～50µm、こん棒形～紡錘形～卵形、ときに先に小さなパピラがある（日本産は側シスチジアが無い）。縁シスチジアは長さ55～100µm、幅15～40µmは側シスチジアと同形（日本産は長さ30～69µm、幅10～27µm、紡錘形～便腹形、先が伸長）。傘上表皮層
はゼラチン化した平行菌糸被。柄の上表皮層 は平行菌糸被。柄シスチジアがときにあり、長さ70～180µm、幅10～25µm、ほとんどが円柱形。菌糸にクランプは無い。可食。
【類自種】
●シロフクロタケ Volvopluteus gloiocephalus (DC.) Justo の傘の白色のもの
synonim Volvariella speciosa (Fr.) Singer var. speciosa
傘が白色のものを var. speciosa シロフクロタケ、暗灰色のものをvar. gloiocephala オオフクロタケと分けていた。
現在では区別しない。
●キヌオオフクロタケ Volvariella bombycina (Schaeff.) Sing. オオフクロタケともいわれる。中国名は丝盖小包脚菇
世界に広く分布。夏～秋に主に広葉樹の枯木、枯幹、腐木に単性、群生、束生。傘は直径4.5～20㎝、球形～卵形～饅頭形～扁平、表面は粘性無く、初め類白色～淡黄色、微細な絹毛や細鱗片が密にある。傘の縁はひだより2～3㎜長く、垂れ下がる。柄は長さ6～20㎝、幅0.5～2㎝、下部がやや太く、中実、白色、平滑、基部は大きく膨れ、黄褐色で膜質のつぼに包まれる。つぼの表面には鱗片がつく。ひだは密、初め白色、後に肉色。肉は厚く、白色、、変色性がなく、無味、無臭。胞子は卵形～楕円形、長さ6.5～8.5µm、幅4.5～6µm。側シスチジアと縁シスチジアはともに紡錘形、腹便形、頂部に突起があり、長さ42～110µm、幅19～37µm。菌糸にクランプは無い。可食。
●フクロタケ Volvariella volvacea (Bull.) Singer var. volvacea
中国、ヒマラヤ地域原産、シイタケやマッシュルーム同じように世界中で栽培される。食用にするのは厚い袋に包まれた卵形のもの。稲ワラなど枯れ草に生え、中国名は草菇（cao
gu）。英名はpaddy straw mushroom 。
ウッドチップ、温室、庭園、堆肥置場、朽ちわらなどに束生、群生する。通年みられるが、屋外では普通、夏に発生する。傘は直径5～16㎝、若いとき卵形、饅頭形～広円錐形～扁平に広がり、表面は乾き、放射状に繊維紋があり、灰色～褐灰色～灰褐色、若いときは黒色近くになり、縁部は淡色、柔らかく、縁に条線はないが、しばしば、古くなると裂け目ができる。ひだは離生、やや密～密、初め白色、後にピンク色になる。柄は長さ4～14㎝、幅2㎝以下、下部が次第に太くなり、基部で膨れ、乾き、白色又は帯褐色、絹状。基部は厚い袋状のつぼに包まれ、つぼは上部が褐灰色～黒色近くなり、下部は白色。肉は白色、無味、無臭。胞子紋はサーモンピンク色（淡ピンク色）。胞子は長さ7～10.5µm、幅4.5～7µm、ほぼ卵形～やや卵形、平滑、非アミロイド。側及び縁シスチジアは様々に変化するが、主に紡錘状便腹形、長さ115µm以下、幅35µm以下。菌糸にクランプは無い。可食。
●クロフクロタケVolvariella volvacea (Bull.) Singer var. nigricans (Kawam. ex) Hongo
本州、沖縄に分布。傘がフクロタケより大型、暗色。つぼが暗黒褐色。
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きのこ図鑑
