きのこ図鑑
Flora of Mikawa 
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 キチャホウライタケ  黄茶蓬莱茸
中 国 名 黄褐干脐蘑 huang he gan qi mo
英  名 pinelitter gingertail
学  名 Xeromphalina cauticinalis (With.) Kuhner et Maire
Xeromphalina cauticinalis var. cauticinalis (With.) Kuhner et Maire
分  類 坦子菌門 ハラタケ亜門 ハラタケ綱 ハラタケ亜綱 ハラタケ目(Agaricales)
科  属 ガマノホタケ科   Typhulaceae  ヒメカバイロタケ属
 クヌギタケ科 Mycenaceae とする見解もある。日本のものを亜種 subsp. pubescentipesとする見解もある。
 写真のものはアカマツ混生林にあり、広葉樹の落葉の堆積したところで見られた。Xeromphalina kauffmaniiの可能性もある。モリノカレバタケ属 Gymnopusにも外観が似たものがある。
 針葉樹林内の落枝、落葉、蘚類上に発生する。傘は直径7~17(25)㎜、半球形~中高扁平~中央がやや凹む浅皿形。傘背面は橙褐色~赤褐色~黄褐色、中央が暗色になり、無毛、放射状に小じわ状の溝条がある。柄は硬く、中実、長さ1.5~3(8)㎝、幅0.5~2㎜、上下同径、表面は光沢があり、黒褐色、上部は淡色になり、基部がときに膨れ、黄褐色の菌糸体がつく。ひだは疎につき、直生状垂生~垂生、クリーム色~黄褐色、脈絡がある。肉は極薄く、表面と同色、無味無臭。胞子紋は白色。胞子は無色、長さ5~6(8)㎛、幅2.5~3(4)µmの長楕円形、平滑、アミロイド。シスチジアはない(アメリカ産:縁及び側シスチジアは紡錘形~狭棍棒形)。菌糸にクランプあり。傘表面はKOHaqで赤色に変色する。
 ヤマジノカレバタケ Gymnopus biformis は針葉樹林、広葉樹林、針広混交林の落葉上、地上、しばしば山道の道端や土手道に発生する。傘は直径8~15(22)㎜、幼時は饅頭形で縁が内巻きし、その後、扁平~へそ状に窪む(漏斗形)。傘の縁は細かいしわ状の溝があり、湿ったとき光沢が無く、初め、赤褐色、古くなると、褐色~シナモンブラウン~肉色に退色し、無毛~初期に繊維状、ときに類輪紋状。肉は質が薄く、白色、温和味、温和臭。ひだは密、直生、後にしばしば襟帯(柄の周りにえり状になる)を形成するか、離生し、帯白色~灰色、古くなるとピンク色を帯びたバフ色(黄土色)になり、全縁、虫メガネで見ると粉状。柄は長さ(1.5)2.3~4.3(5)㎝、幅(1)1.2~3(4)㎜、乾き、円柱形、中空、丈夫で、同径、ときに扁平になる。柄は先が白色、下部は橙シナモン色~黄褐色~濃ワイン褐色、基部は濃鉛褐色になる。柄の上部には密に白毛があり、基部の毛はオーカー色~黄褐色又は黄褐色だけになる。胞子は涙形~やや楕円形、長さ(5.6)6.4~8.6µm 、幅(2.4)3.2~4.4um。
キチャホウライタケ
キチャホウライタケ傘
キチャホウライタケひだ
発生時期 夏、秋
大 き さ 小型、直径0.7~1.7㎝
栄養摂取 腐生菌
発生場所 針葉樹林内の落枝、落葉、蘚類上
分  布 北半球温帯に広く分布
食  毒 不明
撮  影 静岡県 14.8.25
 モリノカレバタケ属 Gymnopusにも外観が似たものがある。
<日本で確認されているモリノカレバタケ属>
 オチバタケGymnopus androsaceus= Marasmius androsaceus傘径.3~8(10)㎜、暗褐色~赤褐色~淡褐色~白色
   饅頭形~中央が凹み、縁に向かって淡色になる。ひだは疎につき、傘と同色。
   柄は針金状、平滑、頂部は赤褐色、下部は暗褐色~黒色、基部に黒色の馬の毛状のミセリウムがつく。
   夏~秋、針葉樹や広葉樹の落葉、枯木、木の崩壊堆積物上、世界に広く分布
 オオミノアマタケ Gymnopus macrosperma Har. Takah. =Collybia macrosperma Har. Takah.
   傘径7~12㎜、褐色~周縁ほぼ白色~類白色、半球形~饅頭形~平開し、淡細軟毛状、後に溝線が見える。
   柄は中空、細軟毛があり、傘と同色、下部は淡褐色を帯び、基部は肥大し、ミセリウムはない。
   ひだはやや疎、上生、白色、縁は細軟毛状。広葉樹の落枝上。日本
 ニオイマツオチバタケ Gymnopus contrarius (Pk.) Halling = Collybia pinastris.傘径4~16㎜、赤茶色~淡褐色、無毛
   饅頭形~中高扁平、中央部が濃色~全体に淡褐色。肉はしばしば特有の臭いがある。
   ひだはやや疎、直生~やや垂生。柄は中実、丈夫、毛に覆われ、基部に褐色の菌糸束がある。
   針葉樹(アカエゾマツ、ヤツガタケトウヒ,ヨーロッパトウヒ)の落葉、球果に多数群生する。日本、北アメリカ。
 アシグロオチバタケ Gymnopus piceipes T. Miyamoto et Igarashi 傘径6~20㎜、暗赤褐色(中央黄褐色)、
   新鮮なとき赤黄色(周縁は黄赤色)、乾くと淡褐色、饅頭形~平開(低い突起~凹む)、無毛。
   柄は暗赤褐色、頂部は淡色、下部は黒色、中実。 明瞭な側シスチジアがある。
   針葉樹( アカエゾマツ、トドマツ)の落葉に発生。北海道
    欧州産の近縁種 Gymnopus inodorus は柄が中空、側シス チジアを欠き、落枝などの材上から発生する。
 ニオイカレバタケ Gymnopus iocephalus (Berk. et M.A. Curtis) Halling 傘径1~2㎝、紫色~灰赤紫色、無毛、
   湿時に放射状の条線。饅頭形~平開、縁が反り返り、やや放射状のしわがあり、条線が見える。
   柄は傘と同色、中空、白色の微毛がある。ひだはやや疎、傘と同色。肉に強い火薬臭、ニンニク臭、ダイコン臭がある。
   夏~秋、広葉樹、針葉樹の林内の枯枝、落葉、朽木に群生~少数束生。日本、北アメリカ
●ヤマジノカレバタケ Gymnopus biformis (Peck) Halling =Collybia biformis 傘径8~22㎜、赤茶色、無毛
  饅頭形~平開~漏斗形。ひだは密、直生、しばしば襟帯を形成する。柄は中空、丈夫、毛に覆われる。
  針葉樹、混交林の落葉上、林道上に群生~束生。日本、北アメリカ
 コゲイロサカズキホウライタケGymnopus foetidus =Marasmiellus foetidus 傘径1.4~2.2㎝、暗褐色~淡褐色
   中央部暗褐色、饅頭形~中央が凹む扁平、吸水性があり、縁はやや波打ち、しわ状の条線がある。
   柄は長さ1.5~2.5㎝、幅1~2㎜、中実、中心生~偏心生、屈曲することが多く、暗褐色、平滑~やや繊維状。
   ひだは疎、直生~垂、傘とよりやや淡色、縁は白色に近くなり、小ひだがあり、ときにしわ状で連絡脈がある。
   肉に悪臭がある。広葉樹の枯木、朽木、根際に発生。日本、ヨーロッパ
 ヤシモリノカレバタケ Gymnopus oncospermatis (Corner) Har.Takah. 傘径8~30㎜、淡褐色、後に退色し類白色、
   饅頭形~ほぼ平開、後に中央部が凹み、縁が反り返り、平坦、乾き、光沢がなく、綿毛を密生。ひだは極密、白色。
   柄は しばしば偏圧、ときに縦しわがあり、密綿毛状、淡褐色、頂部は類白色、基部に白色菌糸体がある。
   ヤシの枯れた根元~落葉上に単生~散生~群生。沖縄、熱帯~亜熱帯のヤシ林に広く分布
 アマタケ Gymnopus confluens (Pers.) Antonín, Halling et Noordel. 傘径1~3㎝、肌色~肉色、中央濃色。
   饅頭形~平開、ほぼ平滑。柄は中空、ときに扁厚、肌色~帯褐色、微毛状。ひだは密、傘とほぼ同色。
   夏~秋にブナ林内などの落葉上。北半球に広く分布。
 カレバタケ Gymnopus erythropus (Pers.) Antonín, Halling et Noordel. 傘径1~3㎝、淡タン色、乾くと淡色になり、
   中央が濃く、バフ色~クリーム色になる。饅頭形~平開、縁が波打つ。
   柄は長さ4~7㎝、幅2~4㎜、暗赤色、先は淡色になり、基部は暗ピンク色の毛がある。
   ひだは密、離生、白色~淡バフ色。秋に広葉樹林の落葉、地上に束生する。日本、中国、台湾、ヨーロッパ、北アメリカ
 スミレホウライタケ Gymnopus fuscopurpureus (Pers.) Antonín, Halling et Noordel.=Marasmius fuscopurpureus
   傘径は1~3㎝、暗紫色、乾くと淡色になり、乾き、半球形~平開し、obsoletely umbilicate、わずかに波打つ。
   柄は長さ2.5~8㎝、幅2~4㎜、淡色、後に暗紫色、乾くと黒色になり、しばしば縦の溝がある。
   基部に赤色を帯びた剛毛をつける。ひだは密、白色、後の傘と同色になる。秋に広葉樹、針葉樹の林下に発生。
   日本、ヨーロッパ、北アメリカに分布。
 サカズキホウライタケGymnopus pacificum (Hongo) (ined.) = Micromphale pacificum Hongo 傘径1.5~3㎝、
   饅頭形~中央が凹む扁平、ほぼ平滑、湿潤時中央部褐色、周辺は淡色、放射状の条線がある。
   柄は茶褐色、上部は白色、細く中空。ひだはほぼ白色、しばしば褐色のしみがあり疎。
   夏~秋雑木林の枯れ木、落葉上に発生。
 ワサビカレバタケ Gymnopus peronatus (Bolton) Antonín, Halling et Noordel. 傘径1.5~3.5㎝、なめし皮色~幹色
   饅頭形~平開、放射状のしわ、湿時条線。柄は中実、傘より淡色、下部フェルト状。夏~秋、林内の地上。普通種。
 モリノカレバタケ モリノカサ Gymnopus dryophilus (Bull.) Murrill 傘径1~4㎝、なめし皮色~黄土色~クリーム色、
   饅頭形~扁平~縁がやや反り返る。柄は中空、傘とほぼ同色、平滑、基部はやや膨れる。
   春~秋に林内(特にツツジ科の樹下)の腐植土上、落葉上に群生。世界に広く分布。
 ミドリカレハタケGymnopus alkalivirens [non (Singer) Halling] sensu Aoki KOHやNH4OHで緑色になる。傘径1~4.5㎝
   傘は饅頭形~広饅頭形、無毛、暗褐色~暗紫褐色、後に縁が淡色~全体にシナモン色~バフ色、条線が見える。
   柄は無毛、傘とほぼ同色。ひだは密、直生~離生、褐色~淡褐色。
   針葉樹、広葉樹の林内の地上、落葉上、朽木上に夏~秋、発生する。日本、北アメリカ
 エルネハルシメジ Gymnopus nivalis (Luthi et Plomb) Antonín et Noordel.= Marasmius nivalis =Collybia nivalis
   傘径(2)3~4(5)㎝、赤褐色、色が淡色のものもあり、乾くとピンク色を帯びたベージュ色、饅頭形~扁平、平滑。
   ひだは直生~離生、やや密、帯褐色。柄は中空、傘より淡色、乾き、平滑、下部が太く毛が密生する。
   早春(3月~4月)の雪解けに広葉樹の枯木、切株に密に束生する。北海道、ヨーロッパ
 ヒロハアマタケ Gymnopus effusa Har. Takah. 傘径3~4.5㎝、赤褐色、後に縁は淡色~全体に淡色になり、波打つ。
   傘は半球形~饅頭形~平開~中央部がやや凹み、明瞭な放射状の溝線があり、粉状~後に平滑。
   肉は白色, 無味、無臭。柄は細く、中空, 白色, 著しい粉状、 基部は白色綿毛状のミセリウムがつく。
   ひだは上生~やや垂生、疎、白色又は緑黄色~淡緑色を帯びる。 夏~秋に針葉樹、広葉樹の落枝上に発生。日本
 コガネカレバタケ Gymnopus subsulphureus (Peck) Murrill =Collybia subsulphurea
   傘径3~5㎝、鮮黄色~黄土色、平滑、丸山形~平開~縁がそり返る。ひだは上生~離生、密、黄色。
   柄は中空、やや扁平、傘とほぼ同色、平滑、基部はやや膨れる。
   春に針葉樹、広葉樹の落葉上、腐植土上に束生~群生。日本、北アメリカ
 コゲチャクサカレハタケ Gymnopus impudicus (Fr.) Antonín, Halling et Noordel. =Marasmius impudicus
   傘径1.4~6㎝、暗赤褐色~帯黄白色、中心部は濃色。傘は饅頭形~広釣鐘形~平開~そりり返り、縁は波打つ。
   表面は平滑、乾き、条線があり凸凹。肉はヘクソカズラやダイコンのような臭いと味。
   ひだ密、上生、淡茶色、後に帯茶白色~帯灰白色~類白色。柄は中空、暗赤褐色~淡茶色、白色微粉毛状。
   基部に白色のミセリウムがつく。針葉樹(アカマツなど)腐朽材上、腐植質がかなり堆積している地上に稀に発生。
   日本、ヨーロッパ、北アメリカ、オーストラリア、ニュージーランドに分布。
 カブベニチャ Gymnopus acervatus (Fr.) Murrill 傘径3~7㎝、茶褐色~帯褐色、縁は淡色、放射状の小じわがある。
   柄は中空、茶褐色~暗褐色、上部ほど淡色、基部に白色のミセリウムがつく。ひだは白色、やや密。
   夏~秋、針葉樹の倒木、切株などに束生。
 ハハノツエタケ Gymnopus matris S. Ito et Imai = Collybia matris S. Ito et Imai 傘は黄褐色
   暗い林内の腐木上に発生。1939年に小笠原で採集報告され、その後の記録はない。

<ヤグラタケモドキ属 Collybia>
 タマツキカレバタケCollybia cookei (Bres.) J.D. Arnold 傘径3~8㎜。白色、平滑、ときに中央が帯褐色。
  傘形は饅頭形~平開、中央がわずかに凹む。ひだは白色、直生、密。
  柄は極細長く、白色~淡黄色、下部は濃色、細長く伸び、軟毛が密生する。基部に球形の淡黄褐色の菌核がつく。
  夏~秋に林内の腐葉上、きのこ上に発生する。北半球温帯以北に広く分布。
 フジタケ Collybia latesulcata Umem.
 ホコリヤグラタケ Collybia cirrhata (Schumach.) Quél.傘径1~13㎜、クリーム色~淡灰色、中央やや濃色、平滑、無毛、
  乾くと淡色になり、光沢がある。傘形は丸山形~中高扁平、縁に放射状の溝線あり、湿時粘性。
  ひだは密、直生~垂性、白色~クリーム色。柄は
 ヤグラタケモドキ Collybia tuberosa (Bull.) P. Kumm.

<ニセホウライタケ属>
 ニセホウライタケ(カネヤタケ) Crinipellis scabella (Alb. et Schwein.) Murrill 傘径7~14㎜、栗褐色、光沢があり、有毛、
   やや環紋j状、湿時、条線がある。ひだは白色、離生。柄は長さ2~4.5㎝、暗褐色、短毛が密生。
   春~秋にイネ科の枯草上に発生する。
 クロニセホウライタケ Crinipellis corvina Har. Takah.
 クロカミオチバタケ Crinipellis nigricaulis Har. Takah
 ホコリヤグラタケ
●Crinipellis patouillardii Crinipellis patouillardii Singer
 ミドリニセホウライタケ Crinipellis rhizomorphica Har. Takah.
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